遺産相続のための準備のひとつとして最近、家族信託というものが注目されています。
家族信託とは具体的にどのようなもので、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
家族信託とは？不動産などの相続における家族信託の内容について
日本人の平均寿命が延び、それとともに認知症などによって自分の意志でものごとを決められなくなってしまう人も増えています。
これは、遺産相続を考える人が不安に思うことのひとつでもあり、自分がしっかりしているうちに自分の意志で遺産相続を決めたいと思う人も少なくありません。
家族信託とは、自分が持っている不動産や預貯金などの財産を、自分が信頼する親族に任せて、管理や処分を行ってもらうことができる制度です。
遺言では子どもの代までにしか相続先を決めることができませんが、家族信託では、孫やひ孫などの幅広い親族に指定することが可能です。
自分がしっかりしているうちに、財産の管理や処分をしてくれる人を決められるので、安心感を得ることができます。
家族信託のメリット・デメリットは？不動産などを相続するときの注意点
2007年9月に施行された家族信託には、いくつかのメリットとデメリットがあります。
家族信託のメリット
本人の判断能力があるうちに信頼できる親族に財産をゆだねることができる
認知症や病気などによって判断能力が低下してしまっても、家族信託によって決められた人物がいれば、納得のいく形で財産の管理や処分を行ってもらえます。
財産管理を柔軟に行える
制約の多い任意後見人制度と異なり、財産管理をスムーズに行うことが可能です。
遺言書と同等の効力を持っている
厳しい手続きが必要な遺言書と同等の効力を持っていながらも、手続きに厳しい方式は不要です。
家族信託のデメリットと注意点
身上監護権がない
家族信託の受託者には身上監護権がないため、入院手続きをはじめとした各種手続きは行えず、もしも必要な場合は成年後見制度を利用することになります。
節税効果はほとんどない
財産を持つ人物の安心感のための家族信託には、ほとんど節税効果がありません。
相談できる専門家が少ない
利用されることの少ない家族信託では、詳しい専門家が少ないのが現実です。
そのため専門家への報酬が高額になることもあります。
まとめ
家族信託は、信頼できる親族に自分の財産の管理や処分を任せることができる制度です。
メリットと場合によってはデメリットになる部分もあるので、よく理解した上で専門家に相談しながら決めることが大切です。
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